宙に浮いた中央の円盤に文字や記号が書かれています。その周りに蛇、犬のような生き物、スフィンクスがいます。円い輪は、宇宙、運命を司るものの象徴です。

犬の頭部を持つ生き物は、エジプト神話に登場する、冥界を司る神「アヌビス」と見なされます。 蛇は、ギリシア神話に登場する、火を吹く魔物「デュポン」であり、デュポンの原形はエジプト神話のセト神といわれています。
運命の輪の頂上にはスフィンクスが輪廻を断ち切る剣を持った姿で描かれています。向かって左側のデュポンはアヌビスの方に下降し、右側のアヌビスは上昇しています。

輪の中のローマ字『T･O･R･A』は、時計回りに読むとTAROと読めます。これはタロットカード(Tarot)のことを暗示します。
また、反時計回りに読むとTORAとも読めます。これは女司祭長が手にしていた神の教えが記された書物です。さらには、ROTAとも読めます。ラテン語で車輪を意味する言葉です。

T･O･R･Aの間のローマ字以外の4文字は、ヘブライ語で神を表すヘブライ文字YHVH（ヤハウェ）が描かれています。

円の中央には８本の放射線が描かれています。そこには錬金術の記号である、水銀（上部）、硫黄（左側）、塩（右側）、水（下部）が記されています。

四隅には四大元素を司る天使が金色に輝いて描かれています。獅子（火、右下）、牡牛（地、左下）、人（風、左上）、鷲（水、右上）が書物を読んで勉強しています。

運命の輪は、時の流れによる移り変わり、好転、暗転などあらゆる変化の象徴です。