聖なる色である紫の羽衣をまとった京ねこちゃんが描かれ、月桂樹によって構成された輪の中でダンスを踊っています。

一見して女性に見える人物は、両性具有者あるいは神と一体化した"神人合一"であるとも考えられています。

切れ目の無い輪は完全性、完結した世界観を意味し、宇宙そのものの象徴です。輪は楕円形であり「宇宙卵」の象徴です。輪の上下の赤い結び目の帯が無限を意味する"∞"の形として描かれています。

手には２本の魔法の杖を持っています。この杖は「魔術師」のカードにも描かれていて、意志のコントロールを表しています。

四隅に描かれた天使の動物は、宇宙を構成する"四大元素"を象徴しています。新約聖書の"福音書記者"のシンボルを表す『四聖獣』とも言われています。「運命の輪」のカードにも描かれた『ケルビム』(智天使)と呼ばれる天使達が、『四聖獣』（テトラモルフ）と対応しています。
　　・左上：風を司る天使（聖マタイ）
　　・右上：水を司る鷲（聖ヨハネ）
　　・左下：土を司る牡牛（聖ルカ）
　　・右下：火を司る獅子（聖マルコ）

タロットカードは「愚者」から始まり、最後のカード「世界」で完結されます。「世界」は成功と完成を表し、全ての完全なる統合の象徴です。

描かれている京ねこちゃんは右（未来）ではなく、左（過去）を見ています。

完結した「世界」の真の意味は、そこで終わりではなく、「愚者」に戻り再出発する、つまり始まりと終わりを繰り返すことであり、輪廻転生を象徴しているといえます。